子供のインフルエンザ予防接種の時期はいつから?効果はある?
毎年冬になると流行するインフルエンザ。子どもがインフルエンザになると重症化しやすく、合併症の脳炎や肺炎で生命の危機に陥ることもあります。予防接種は2回打ちです。年齢はいつから?どの時期から接種すればいいのか?どれくらいの間隔をあければいいのか?看護師の視点も含め、予防接種の疑問を解消していきます。参考にしてくださいね。
インフルエンザを知る
インフルエンザとは
インフルエンザウィルスが喉や気管支で感染・繁殖し、咽頭痛や咳・高熱を発症させます。免疫の低い子どもや高齢者がかかりやすく、重症化・合併症を起こしやすくなっています。
インフルエンザウィルスの種類
大きく分けてA型・B型・C型の3種類に分けられます。
A型
ウィルスが変化し、毎年違ったウィルスとなって流行を引き起こします。人だけでなく豚や鶏・馬などを介して感染します。感染力が強く、合併症を引き起こす危険性が高い。
B型
人同士のみの感染。ウィルスの変化がA型より比較的ゆっくりで、予防接種や一度感染すればある期間効果は持続されます。
C型
ほとんどの人が幼少期にかかっていることが多い。微弱なウィルスで風邪と間違われるほど。一度なると免疫が持続するので、予防接種ワクチンはなし。
インフルエンザのピーク
インフルエンザウィルスは、低温・低湿の気候を好みます。11月〜12月ごろの寒い時期に一気に拡大し、2月ごろピークを迎えます。まれに3月末などに遅れて流行することもあるので、春先も予防が大切。
インフルエンザの潜伏期間と症状
潜伏期間と発症後人に移す危険がある期間
- 発症期間は約1〜2日、最も長くても1週間ほど
- 発症1日前〜発症後5日は人にうつす危険あり
主な症状
38℃以上の高熱・喉の痛み・鼻水・全身倦怠感・関節痛・悪寒・頭痛・下痢・嘔吐・食欲低下など。
風邪と違ってインフルエンザは、いきなり高熱がでて全身倦怠感などの症状が現れます。
インフルエンザを予防したくても、幼児の手は危険!
インフルエンザの感染のしかた
- 飛沫感染
- 接触感染
飛沫感染
感染者がくしゃみや咳をして、空気中にウィルスを飛ばします。それを吸い込むことで感染すること。
接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で覆うと、その手にはウィルスが付いた状態に。その手でドアなどに触れ、他の人がドアなどに触り自分の目や口・鼻などの粘膜を触ることで感染してしまいます。
幼児の手は菌まみれ!
幼児はマスクの着用や手洗いなど十分にできないので、大人よりも感染リスクは高くなっています。インフルエンザ発症1日前から保菌している状態なので、一見元気そうな子でも保菌期間中であれば人にうつす危険があります。
口や鼻を触った手でお友達同士触りあったり、おもちゃを貸し借りするだけでも感染してしまいます。
また子どもは免疫力が低いので、インフルエンザにかかりやすく重症化や合併症を起こしやすいので予防することが大切。
予防接種はインフルエンザにかからないようにするものではない
予防接種していてもインフルエンザにかかってしまうことはあります。予防接種は痛いだけで意味がないと思い、次から予防接種しないことを選択する人も多いんですよね。
『予防接種すればインフルエンザにかからない』ということが、そもそも間違っているのです。予防接種は、重症化をおさえる(症状を軽減する)目的のもの。
かからないに越したことはないですが、予防接種することで症状が軽く済むこともあります。
症状の軽減だけでなく、もう一つ目的があります。それは、『集団免疫効果』も期待するため。
集団免疫効果って何?
集団のなかの80%以上の人が予防接種することで、インフルエンザを集団で予防できるというもの。
例えば、小学校の全校生徒100人います。その内80人以上が予防接種していれば学校内でインフルエンザが流行ることはないというもの。効果が発揮されるというもの。
その中に体質や疾患で予防接種したくてもできないという人がいても、その人たちへの感染リスクも減少させると証明されています。
ここでの集団は小学校でいいましたが、普段の生活での集団はたくさんあります。家・学校・職場だけでなく電車の中や買い物途中など幅広くなります。その中で80%以上となるとなかなか難しいことです。
そう思うと予防接種しないではなく、予防接種の時期だから予約しておこうになるはずですよね。
予防接種の回数とワクチンの効果期間
予防接種できる年齢
生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、免疫力が十分ではなく抗体がつきにくいので可能性大。
6ヶ月〜1歳までの子どもも幼児に比べると抗体が作られにくいので、日本小児科学会は、1歳以上の子どもに予防接種を推奨しています。
ただし、1歳未満でも集団生活をする子どもの場合は、他の予防する有効策がないので接種しておくこと方が無難。
子どもの予防接種は2回!
1歳以上の子どもでも抗体がつきにくいので、2回接種が基本となっています。
1回目接種後、2〜4週間あけてから2回目の接種をしましょう。3〜4週間あけるとワクチンの効果を高めるので理想的です。
予防接種後すぐには効果は発揮しない
流行しているからといって慌てて予防接種しにいっても期待はできません。予防接種後2週間ほどで効果は出て、5ヶ月ほど持続します。
ずっと効果を維持し続けるのではなく、5ヶ月ごろの効果は半減しています。3月ごろに流行るインフルエンザには注意が必要です。
鼻水が続いているけど大丈夫?
鼻水だけなら予防接種は受けてもいいと思います。ただ、次の2つは当てはまりませんよね?
- 熱が37.5℃以上
- 機嫌が悪い
鼻水以外にこの2つのうち一つでも当てはまれば予防接種は別の日にしたほうが無難です。
予防接種とは、弱くした菌を体に入れるということ。風邪を引いているとどうしても免疫力が低下しています。そういう状態で菌を入れると、普段ならなんともない菌でもやっつける力がないとので高熱やだるさなどの原因になります。
だから、鼻水だけならいいですが、気になることがあれば病院の先生に相談しましょう。
1歳の子どものインフルエンザ以外の予防接種もあって大変!?
1歳過ぎたらMRなどの予防接種のスケジュールで大変。インフルエンザワクチンは、他の予防接種と同時接種できるので大丈夫です。
ただし、1回めに生ワクチンのものをしてしまうと次に打てるのが4週間後になってしまいます。なるべくは、2回めに生ワクチンを打つようにすればスムーズにできます。
同時接種可能(不活化ワクチン)
- 日本脳炎
- ヒブ
- 肺炎球菌
- 四種混合
同時接種できるが、できれば2回めで
- MR
- おたふく
- 水痘
- ロタ
- BCG
予防接種の時期
子どもは2回接種なので流行のころに効果を発揮させるには、1回めを10月末までに。2回めを11月末ごろまでにできていれば、流行する12月〜2月に効果が発揮されます。遅くとも12月中に予防接種が完了するようにしましょう。
予約期間が長い病院がオススメ
子どもが元気なときにしか予防接種はできません。予防接種の時期はRSウィルスなどが流行っているので、予定している日に接種できないことがあります。
日ごろから診てもらっている先生に予防接種してもらいたいと思っている人が多いでしょう。しかし、その病院がどんな予防接種の予約方法をとっているかで明暗が分かれます。
予防接種の日にちを指定して予約する病院よりも、予約期間が1ヶ月間あって体調の良いときに対応してくれる病院がオススメです。予約期間中の体調の良い日に行けばよいだけ。子どもの体調変化に臨機応変に対応できます。
一方、予約日指定であれば、体調が悪ければ予約の取り直しのため何度も電話したりと手間がかかります。最悪予約が取れず予防接種できない事態になってしまうこともあります。
予防接種で気をつけること
予防接種前にすること
- 2〜3日前から子どもの体調を観察する
- 脱ぎ着しやすい服装
- 問診票の記入
- 母子手帳を用意しておく
予防接種後の注意点
- 人混みを避ける
- 体調の変化などなければ入浴はOK
- 激しい運動・遊びは避ける
- 接種後30分は副作用などが出やすいのでよく観察する
- 接種したところを触ったり掻いたりしない
接種部分が赤く腫れていて子どもが触ればひどくなるので、アイスノンなどで冷やしてあげましょう。接種後の絆創膏もかぶれの原因になるので、帰宅後すぐに外しましょう。
最後に
インフルエンザの予防方法は、手洗い・うがい・マスクが必須となってきます。ただ、子どもはマスクは嫌がってつけないこと多いですよね。
「グチュグチュペイ」のうがいはできても、『ガラガラうがい』は5〜6歳くらいでようやく出来るようになる程度。手洗いは大人と一緒にすればある程度できますが、すぐに鼻ほじったり口に手を入れたりとキリがない‥。
最低限人混みを避けて生活しても、保育園などに通っていいれば避けられないこと。だから、予防接種は必要です。
予防接種したあと風邪のような症状がでることもあるので、できれば休み前などに予防接種するようにすれば対応しやすいですよね。
予防接種した日の過ごし方
- お風呂は入ってもOK
- 注射したところは触らない&掻かない
- 走り回って遊ばない
お風呂&シャワーは問題ないのですが、注射したところを擦ったり・触らないよに気をつけましょう。そして、遊んでもいいのですが、走り回って疲れるようなことは控えたほうが無難です。
予防接種の予約は10月ごろスタートし、早いところでは10月中に予約を締め切る病院もあります。早めに予約することをオススメします。
ちなみに、予防接種していてもインフルエンザに罹ってしまうことも‥。そんなときは次の記事も参考にしてください↓